タイ政府観光局

タイ移住ガイド

微笑みの国と言われるタイは、温暖な気候、豊かな自然、穏やかな人々、多様なライフスタイルを受け入れる寛容な社会です。タイは今、多くの日本人にとって第二の故郷として選ばれつつある国になってきています。

この記事では、タイ移住に必要な準備から、生活費、住まいの探し方、ビザの種類や現地のリアルな生活事情まで、これから移住を考える方が安心して一歩を踏み出せるように、分かりやすく解説しています。

タイの基本情報

タイ王国は、東南アジアに位置する国で、首都はバンコク、人口は約7000万人です。公用語はタイ語ですが、観光地や大都市では英語も広く通用します。

タイの気候は熱帯モンスーン気候で、年間を通じて高温多湿です。暑季(3月~5月)、雨季(6月~10月)と乾季(11月~2月)の3つの季節に分かれています。

タイで外国人の移住先として特に人気がある地域がいくつかあります。

バンコクタイの首都です。伝統的な文化と近代的な建物が共存する非常に魅力的な街です。しかし、交通渋滞や大気汚染などの都市問題もあります。
パタヤ首都バンコクから車で2時間ほどの海沿いの街です。外国人に人気で、長期滞在者向けのアパートメントや娯楽施設などが多く、活気のある生活を求める方に人気です。
チェンマイタイ北部の古都で、自然と歴史が調和した都市です。寺院が多く、気候は涼しく、観光・リゾート地として人気があります。
プーケットタイ南部のアンダマン海に浮かぶ最大の島で、美しいビーチや高級リゾートが集まる人気の移住先です。ダイビングやマリンスポーツが盛んで、乾季がベストシーズンです。

タイ移住までの出国前準備

パスポートの準備

まずはパスポートの準備をしましょう。タイ入国時にはパスポートの残存有効期間が6ヶ月以上なければ入国できません。パスポートの有効期限を確認し、必要なら更新手続きを行いましょう。

滞在ビザの申請

タイは観光目的の短期滞在(60日以内)ならノービザで入国可能です。しかし、タイで働いたり、長期移住をする場合には、ビザを取得しなければいけません。

タイの長期滞在ビザは目的別に複数種類があります。

観光ビザ観光目的で60日以上滞在する際に必要なビザ
就労ビザタイで就労する場合に必要なビザ
学生ビザ留学で滞在する場合に必要なビザ
リタイアメントビザ50歳以上の方で、タイでの就労を目的としない長期滞在を行う際に必要なビザ
エリートビザタイランド・プリビレッジ会員が購入できるビザ
家族ビザ配偶者がとれるビザ

家族ビザの場合、就労者がタイで就労をはじめてから3か月後にビザが発行されるケースが多いです。はじめから一緒に帯同したいという場合は観光ビザを取得するのがいいでしょう。

ビザ申請時には、申請書や証明写真、証明書類、パスポートなどが必要になってきます。日本国内のタイ王国大使館や領事館でビザ申請を行いましょう。

海外転出届の提出

タイに移住する場合は、最寄りの市役所にいって海外転出届を提出しなければいけません。海外転出届を提出する上でのメリットとデメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
・住民税や年金の支払い義務がなくなる
・国民年金加入が任意になる
・国民健康保険の資格がなくなる
・身分証が無効になる
・マイナンバーカードや印鑑証明のサービスを受けることができない

確かにデメリットはありますが、1年以上海外移住するのであれば、税制面から考慮して海外転出届をだしたほうがいいでしょう。

医療保険の加入

タイに移住する日本人が利用できる医療保険は大きく3つあります。

・日本の国民健康保険

・海外旅行保険(クレジットカード付帯含む)

・タイの民間医療保険

180日以内であれば、クレジットカード付帯の海外旅行保険、180日以上であれば、タイの民間医療保険がおすすめです。

住居の確保

具体的なステップ

➀一時滞在先の確保

移住前に、ホテルなどを1週間程度利用して、現地の生活環境に慣れることをおすすめします。

➁物件情報収集

日本語対応の不動産仲介を利用するなどして、効率的に物件情報を収集します。物件の立地やタイプ、契約期間(1年契約が一般的)、敷金・礼金などを確認しましょう。

⓷現地入り後内見・契約

通常、1年契約が一般的で、デポジットとして2ヶ月分の家賃と初月分の家賃を前払いする必要があります。

⓸入居手続き

電気・水道メーターの確認など、入居に必要な手続きを行います。

タイ移住後の手続き

タイ移住時の在留届の提出

タイに3か月以上滞在する場合は、在タイ日本大使館への在留届を提出する必要があります。

これは、留学やタイでの就職またはノマドワーカーでの滞在など理由を問わず提出しなければいけません。

緊急時の安否確認や支援が受けられたり、大使館からの重要情報をメールで受け取ったりすることができるようになります。

タイ移住での携帯電話の契約

タイで現地SIMを購入し、日本から持ってきたスマホに挿して使う形が一般的です。注意してほしいのは、タイのSIMカードを使う場合、SIMフリーのスマートフォンでなければ使えません。SIMロックがかかっているスマートフォンもあるので、事前に必ずロックを解除しておきましょう。

渡タイ後数日は、旅行者用のSIMでやりくりすることができますが、その後タイで生活するにあたっては、きちんとキャリアと契約したほうがコスパの面でもおすすめです。

携帯キャリア大手は

・AIS

・TRUE

・DTAC

です。

迷ったらAISかTRUEを契約すればいいでしょう。料金としては、TRUEで5G月額399バーツ程度です。

90日レポートの提出

タイに90日以上連続して滞在する場合、90日レポートを提出する義務があります。90日レポートを怠ると、2000バーツの罰金が科せられます。

タイ(バンコク・パタヤ)での移住生活コスト

タイ移住にあたって生活コストを把握しておくことはとても重要なことです。ここでは、バンコクとパタヤでの生活コストを比較します。

バンコクパタヤ
家賃月15,000~35,000バーツ(1LDK)月8,000~20,000バーツ(1LDK)
食費屋台:約50~80バーツ
レストラン:約100~200バーツ
屋台:約40~70バーツ
レストラン:約100~150バーツ
交通費BTS・MRTで移動:月約1,000~2,000バーツソンテウ中心:月500~1,000バーツ
光熱費月約2,000~4,000バーツ月約1,500~3,000バーツ
娯楽費多様・価格幅広い観光地価格がやや高め

一人暮らしで中間的な生活水準であれば、バンコクだと月30,000~60,000バーツ(約13万~26万円)でパタヤであれば月20,000~45,000バーツ(約9万~19万円)程度です。

バンコクは便利だけれどもコストが高く、パタヤは少し不便でもコストを抑えやすいという特徴があります。

初期費用はいくらくらいかかるか

タイ(バンコク・パタヤ)での生活コストを紹介しましたが、タイ移住での初期費用がどれくらいかかるか目安をお伝えします。

・航空券代:4万円~15万円

・ビザ取得費用:2,000円~10,000円

・引っ越し費用:5万円~50万円

・住居の初期費用:家賃1~2か月分(5万円~25万円程度)

・生活用品の購入費用:2万円~4万円

合計すると、最低約20万円、平均的には50万円~100万円程度かかることになります。また住居などを高級な物件にするとさらに高額になる可能性があります。